四万十鶏は素材そのものの旨味がしっかり活きる理想的な鶏肉です


四万十鶏を使用した調理では、まずその解凍状態の良さに感動しました。最大氷結晶生成帯(※)を素早く通過する凍結技術によって、ドリップが非常に少なく、鶏肉特有のにおいも全くと言っていいほど感じられません。
むね肉は葱姜水との真空低温調理や高温加熱調理のいずれにおいても、加熱後のしっとりとした食感とジューシーさが際立ちました。特に芯温68℃調理では、歩留まりも93%以上と高く、ローストハムのような美しい白さと、シャープに切れる弾力が魅力です。
もも肉は、塩胡椒のみの味付けにも関わらず、皮面が滑らかで美しく、加熱後もふっくらと引き締まり、芯温71℃や85℃の調理でもパサつきがなく、噛むたびに旨味がじゅわっとあふれます。表面はパリッと、中はジューシーで、食材として非常に完成度の高い鶏肉です。
調理法の自由度も高く、和・洋・中どのジャンルでも活かせる万能な素材。特に真空調理や低温調理、スチームコンベクションとの相性は抜群で、プロ仕様の食材として強く推薦できます。
※最大氷結晶生成帯…食品内部に大きな氷結晶ができてしまう温度帯
(一般的には-1°~-5°のこと)
帝国ホテル大阪 元料理長
石川 一男 様
大阪新阪急ホテルでの経験を経て、帝国ホテル大阪料理長を務める。国内外での調理業務指導実績がある。厚生労働大臣表彰(調理功労賞)や名誉司厨士の称号を受賞。西洋料理専門調理師、日本HACCP認定、ハラール調理認定師など多数の資格を有し、フードコンサルティング、メニュー開発、衛生管理指導において業界を牽引。著書も多数出版し、料理セミナーも開催。安全で美味しい料理の提供に貢献。
濃い味付けをしなくても素材の味だけで満足できる、数少ない鶏肉の一つです


四万十鶏を試食したとき、最も印象的だったのは「臭みのなさ」です。
冷凍状態から水で解凍しても均一にきれいに戻り、鶏肉特有のにおいがなく、調理前から扱いやすさを感じました。
むね肉はパサつきがちな部位ですが、鶏ハムや蒸し料理にしてもしっとりとしており、甘味を感じる上質な味わいでした。塩胡椒を軽くまぶしただけでもしっかり美味しく、濃い味付けをしなくても素材の味で満足できるのが魅力です。
もも肉は塩焼きや薬膳蒸しに使用し、ドリップも少なく、焼いても蒸しても弾力がありながらやわらかく、ジュワッと旨味があふれ出る感覚を確かに感じました。特に薬膳蒸しでは、生薬との相性も抜群で、冷やしても美味しく、食欲をそそる仕上がりに。
家庭料理としても取り入れやすく、薬膳効果も高められる理想的な食材です。また、焼き鳥や内臓系部位への調理展開にも可能性を感じており、砂肝やレバーなどのメニューも試してみたいと思いました。
「また食べたくなる」その言葉が自然と出る、記憶に残る鶏肉です。
NHKカルチャーセンター講師・中医美容薬膳師
都築 麻尋 様
13年以上の講師歴を持ち、これまでに延べ13,000人以上の受講生を指導。NHKカルチャーセンター人気講師。中医薬膳特任教授、中医康復師、中医気功康復講師など、複数の美容健康関連の専門資格を保有。
短大のオープンカレッジでも教鞭を執るなど、多岐にわたる教育機関で専門知識を伝える。
「病気にならなきゃいいじゃん」をコンセプトに、中医学に基づいた健康メソッドを提案。薬膳、健康食を通して、心身ともに健やかな生活をサポート。
著書「中医 薬膳ティーのすすめ」、オンライン講座「美食同源~食材別トリセツ~」